重すぎる負担 連続講座で告発

8月28日から9月21日にかけて、恒例の連続講座を4回、各支部の地元でひらきました。
今年のテーマは、『支払えない税金・保険料』。消費税、住民税、国保料、介護保険料、それに延滞金…。キツすぎる、重すぎて払えない負担についての告発が相次ぎました。
<にっくき消費税>
税務署が「去年の売上データをもとに、今期の消費税を払ってください。多すぎたら、あとで返します」だって!そんな前もって先取りするような消費税に、ほんと腹立つんですよね。だいたい集めた税金を国は何に使ってるの? 景気が少しは上がったの?
<医療に介護>
医者に行っても、夫婦2人で薬と診察で6~7千円、精密検査に4~5千円ぐらい取られます。わたしは無年金で、いま介護保険の滞納は8カ月ぐらいなんです。
<払えていません>
住宅ローンは遅れ、税金、国民年金は支払えていません。国保も滞納しており10割自己負担の「資格証」です。だれかが訪問に来ても「取り立てじゃないか」、郵便物が来ても「債権回収や税金の通知か」と、こわいです。
<しめつけるな>
国保と特別区民税それぞれ滞納で、毎月5千円ずつの分納で払ってきたんですが、すんなりと進んでいません。「納付書を送ってください」と言うと役所は、「じゃあ誓約書を書いてください。そのあとに納付書を送ります。誓約書がなければ送りません」というんです。「なぜ誓約書が必要なのか?理由を文書で送ってください」と今たたかっています。
<延滞税が110万円>
毎年20万ぐらいの消費税を、分納でなんとか払ってきました。ところが、これに延滞税が付いているんですね。払えない延滞税は110万にまでなりました。
あるとき、銀行から「お金貸してあげますよ」と言われたんですが、「延滞税は払われているか」という書類も出さなきゃいけない。払えていないので税務署に減免のお願いに行きました。なんとかお金をそろえ泣き泣き持っていきましたが、こちらは痛い思いをしました。
メーカーとしての責任があるので、赤字でも商売をやめるわけにいかないし、でも利益は出ない。消費税が10%になったらどういうことになるんでしょうか。

消費税については、複数税率とインボイス方式についても学びました。
<商売どころじゃなくなる>
消費税が始まった頃、売上の数字が増えて、「やけに利益が増えたな?」って勘違いしっちゃたんです。で、そこに手をつけて、あとで税額が来て「どうやって払おうか」悩みました。
手続きの負担もどんどん増えて、消費税に対応した専門の人をもう一人雇わないと商売どころじゃなくなっちゃうんですよ。
<食べ物に消費税かけるな>
わたしたちが生きていくために、例えば、食料品だけには消費税をかけないでほしい。ネギを買ってもナスを買っても消費税がついてくる。
<人権守って>
ヨーロッパでは、消費税は食料とか子どものものにはかけてない。でも日本は子どもが買うものにも消費税。子どもやお年寄りの人権はどうなる?人権を守ったうえで、議論しないと。
後日、「差押の事前通知」が来た会員さんは連続講座で学んだことを力に、憲法・法律にもとづき、分納・延滞金免除を申請。役所から「相談にのります」との連絡がありました。
多重債務の相談 生かす野洲市
「ようこそ滞納」条例で全国から注目されている滋賀県野洲市について、会長が民商県連に電話で聞き、紹介しました。
払えない訳がある
県連事務局長の話では――20数年前、全国でも問題となった商工ローンなど高金利の被害。野洲も被害が多々あり、市は被害の相談窓口をつくり、その担当した人が、こういう多重債務の問題に非常に理解があり、相談の経験があるかたでした。役所は、非正規だったそのかたを正規に切りかえ、ずっと勤めていただき、野洲には、市役所の中に多重債務の実態・現状を理解するシステムがありました。「納税できないウラには何か訳があるんだ」「なぜ保険料が?」「なぜ市民税が払えないんだ?」、単なるお金の問題じゃなくて、ケースワーカー、健康問題も含め相談にのってきたんです。その到達点として、この『生活再建支援』の条例ができたんです。
実態知らせるのが大事
もともと野洲市はハコモノ行政をずっとやってきたのがすごい負担となり、新しい市長に変わり、この条例案が可決されました。「なぜ払えないか」を、自治体にしっかり理解させることが大事です。