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わたしの商売と消費税 連続講座

 8月26日~9月19日にかけて行われた玉川民商恒例の連続講座。ことしは『わたしの商売と消費税』をテーマに4回開かれ、特別報告や活発な意見交流をしました。

 ★Tさん(水道建築)…この仕事を19歳から始めて四十数年。わたしが小僧の頃は「ガソリン税」もなかったし、もちろん消費税もなかった。たいへん働き甲斐がありました。いまの若い人は、ほんとにかわいそう。オリンピックなんてやっているときじゃないですよ。維持管理費も大変で、さらに消費税なども取られる。家族に例えれば「女房子どもはご飯に醤油かけて食べていろ。亭主は外でうなぎ食べている」のと一緒です。少しでも声を大にして反対していきたいと思います。
 不景気で「お金がない」っていうことは不幸にするばかり。気持ちが病んで人と人とのつながりが希薄になっている。「お金じゃ幸せは買えないけど、与えてあげることはできる」とつくづく思います。

★Kさん(機械設計製造)…消費税には「輸出戻し税」というしくみがあるのをご存じですか。日本で商売をしたとき、仮に1億円の売上で原価が6千万円とすれば、支払わなきゃならない消費税は約320万になります。
 ところが輸出だけで同じ売上だとすると、480万の「戻し税」で還付されるんです。1億円で480万ですから、大企業は、輸出するたびにものすごい金額が戻ってくるしくみになっているんです。「戻し税」で払われているお金は、われわれ中小200万の業者が納付した消費税に該当する、そういう結果もあります。
 ウチも一時は景気が良かったものですから、製品を外国に出しておりました。やっぱり「戻し税」というのをいただきましたけれど「払えない消費税」のほうに回され、手元には戻りませんでした。増税するとますます払えなくなるし生活はキツくなります。

★Yさん(解体)…消費税の対策で政府は「マイナンバーを出せば25%ポイント還元する」とか言ってます。何を考えているんでしょうか?商売がやりにくくなるのは目に見えています。オリンピックが終わったら、経済がダメになるんじゃないかでしょうか。個々のみなさんが「変えてやるぞ」っていう意識を持ち、どうしたらいいか考えていきませんか?

★Oさん(ガス卸販売)…増税のとき、国は必ずいいことも言うんですよ。最初3%のときは、(免税点は)「3千万円」。それが「1千万円」にされ今回は「2%上がるだけだから大丈夫だろう」とか「子ども手当」で若い人たちを釣って、インボイスとかを付けるわけですよね。
 あと、数字のマジック。「2%上がるだけだからいいだろう」って強調されるけど、実際はモノの1割かかっちゃうわけだから。100円で10円だけど、100万円だと10万円、1千万円だと100万円。消費税でも何でも、両方からものごと見ないといけないと思います。

★Iさん(大工)…2,3日前、家主に「暑いね」とか言いながら「軽減税率どうするの?」って聞いたら、何の話だかさっぱりわからない。そのぐらいなもんだよ。なるべく近い人とわかるような話をたくさんしたほうがいいんじゃない?

★Aさん(鍼灸)…民商で消費税の話を聞いたとき、「インボイス?なにそれ?」みたいな「何が何だかわからない」組です、わたしは。ほんとに複雑怪奇で、勉強していかなきゃいけないなと思っています。こういうところに関わらせていただくことが私にとってプラスになります。

★Hさん(ブティック)…母からブティックのお店を受け継いで36年。消費税で一番ひっかかるのは家賃です。3年ごとの家賃の更新のたびに、消費税がかかってくるので、大家さんとずっと内税っていうことで話し合ってきたんです。でも、それも今回は見直すことになるんじゃないかと思います。
 昔からのお客様が亡くなられたり、やっていかれるのか不安の中でずっとおります。家賃のために働いているような状態です。それでもお客さんに来てもらわないとと思うので、お花のアレンジの教室をしてみたり、占いの先生に診ていただく会をしてみたり。いろんな年代とおつきあいしないと、自分も成長しないし、お店も活気がなくなってくるんではないかと思っています。

★Nさん(整骨院)…整骨院を営んでおり、同時に、「こども食堂」を運営しております。もう3年ぐらい。毎回平均で150人ぐらい来ます。子どももおとなも、1人でもなんだろうが関係なく、「みんなでごはんを食べよう」という場所です。
 昔は商店街があって、八百屋のおじさんが子どもたちに「おかえり」と声をかけたり。そういった姿って見なくなってしまいました。そういう部分で子どもだちにおとなの人に見守られているということを感じてもらえればなと思っています。

★Kさん(電気設備)…ぼくはBSとかCS、光、電話、ドアホンなどを扱っている「電波屋さん」です。大きなビルだったら上にアンテナではなく真ん中に持ってきてそこから分けていく、そういう仕事をしているんです。
 以前うちに税務署が入ったとき突っぱねたんです。ちゃんと申告しているし印鑑も押している。それを「もう一回見せろ」っていうのはおかしい。若手の署員に「これは任意ですか?」って聞いたら「そうじゃないです」。「ほんとですね?」って聞くと、あわててベテランの署員が「いやこれは任意です」って訂正したんです。「素人だからわからないだろう」「見せてもらうのはあたりまえ」という態度なんですよ。けっきょく「調査は打ち切ります」と、いっさい帳簿を見ないで帰ったんです。今の時代、スマホを使って証拠をとっておくのもいいと思いますよ。

★Sさん(仏壇販売)…私どもの業界はあまり関係ないと思っていたんですが、「霊供膳」と言って、仏様にお供えをするご飯やおつゆ、お新香、精進料理みたいなものなんですけど、それだけが8%ということで分けていかないといけないんです。
 いま、お線香1つ、ローソク1本買うのに現金持ってなくて「カードで支払いできますか?」っていう方がとても増えてますね。カードだと、うちとしては4%ぐらい手数料持ってかれてしまう。そこに消費税。「それくらいはおまけしますよ」とか「消費税込みでいいですよ」なんてこと言ってましたけど、政府に「5%還元します」とか言われてしまうと、たぶん今までのようにはいかなくなるでしょうし、「もういいよ。お線香あげるのやめよう」「ローソクつけるのやめよう」「お供えするのやめよう」と、心の余裕、心の豊かさがだんだんなくなってきているのが現状。そういう話をお客様としていくのも大切な時期にきているのかなと思っています。

 連続講座の中で、戦争中の『皇国租税理念調査会』の記事も紹介され、話題になりました。戦争中は、申告納税制度ではなく国が税金を計算して割り当てる賦課納税制度でした。

★関会長…日本には「戦争をする」という時代がありましたよね。戦争をつづけるために、国民を総動員する、「国が大変なんだから」「国を愛するんであれば国のために奉公しなさい」と。今まさに、そういう時代に先祖返りするように国はそういう方向に仕向けている。政府は「借金でたいへん」ってアピールしてきて、「お国の一大事」と思ってるかたは多い。だけど政府もマスコミも、「国の借金」の内訳や純資産を持っているとかのカラクリは一切説明しないです。

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