世田谷区の国民健康保険料の計算方法
「国民健康保険料が払えない…」というご相談が増えています。
東商連共済会のデータによれば、世田谷区では、約30%の人が国保料を滞納しています。
そもそも国保料とは、どのように決まるのでしょうか。
国保料の計算方法について、見てみましょう。
もう払えん!国保料
世田谷区の国民健康保険料は、均等割と所得割の合計で決まります。
①均等割の計算 (2024年7月現在)
加入者一人につき、年間65600円です。
40歳~64歳までの方は、82100円です。
→令和6年度の国保料
②所得割の計算
総所得金額-43万円×11.49%
40歳以上の方は、
総所得金額-43万円×13.85%
①と②の合計が、その年の国民健康保険
国保は、年齢によっても保険料が変わります。40歳以上の方は、介護分も含まれるので高くなります。
均等割とは
①の均等割は、加入者数に応じてかかる仕組みになっています。
夫・妻・子どもの3人が加入すれば、3人分の均等割がかかります。
所得が0の人にもかかる過酷な仕組みです。
所得割とは
②の所得割は、おおざっぱに言うと、総所得の約1割ということで、こちらも非常に重い負担です。
なぜなら、『総所得』とは、社会保険料控除や配偶者控除など、各種控除を引く前の数字だからです。
つまり、国保料は、43万の(住民税の)基礎控除を除いて、まったく控除のない税金なのです。しかも、税率は約10%で固定です。
(所得税の場合は、各種控除+累進課税。所得の低い人は5%の負担です。)
家族3人、所得200万だと…
例、自営業、夫(45歳)と妻(43歳)とこども1人の三人家族
総所得は200万円。
・均等割 82,100×2+65,600=229,800円
・所得割 (2,000,000-430,000)×13.85%=217,445円
合計 447,245円です。
もう払えん!国保料 許せん!取り立て競争に報奨金
所得200万円といえば、家族3人が生活していくのには難しい所得です。その中から、約40万円もの国保料を払わなければなりません。
これでは「払いたくても、払えない…」人が増えるのは当然です。
払えない国保料については、減免や分納の申請をしましょう。
『人間らしい生活をおくる権利』…憲法にもとづき、自治体の条例も「減免できる」と書かれています。ぜひ減免申請の制度を活用しましょう。
→国保,介護保険,後期高齢保険,減免条例
また、国や都道府県は、自治体や委託に毎年数億円もの“報奨金”を付け、徴収“取り立て”競争を進め、支払えないしくみで苦しむ人を追い詰めるしくみをつくっています。許せません!
→国保・報奨金の中身①
→国保・報奨金の中身②
(東京都保健医療局→健康づくり保健政策→国民健康保険→国民健康保険事業状況→『第4表保険者別経理状況』→収支状況(収入)3ページ目
→都道府県繰入金(第2号分)
国保料がここまで高くなってしまったのは、国の国庫負担金が少なくなってしまったからです。
お金がないから病院にいけない、そんな世の中は、やはりおかしい。みんなで声をあげていきましょう。